ホキ美術館を実際に見てきたので、ブログを書きます。
レンタカーを借りて行ってきました。
基本情報
- 建物:ホキ美術館
- 設計:日建設計 山梨和彦
- 竣工:2010年
- 種類:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造(地上1階、地下2階)
- 千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
特徴
30mの片持ち鋼板構造
100mに伸びる鋼板構造を東側と西側の2か所で支持させ、先端と支間を浮かせている。
住宅街のど真ん中にあるので、車で行く人は見つけるのが大変かもしれません。
ただ、昭和の森のそばにあるので、ナビで検索するのは簡単です。
タクシーではワンメーター、駅から歩くと20分とのことです。
ふつうの住宅街に、黒い四角柱が、ズドンと(このオノマトペがばっちり合います)現れます。
駐車場は、入館者は無料でした。(入館せずに駐車場を利用してもいいのでしょうか)
建物に沿って棒が立っています。
鉄棒がコンクリートに埋め込まれています。
柵の役割があるそうです。
整備されたまっすぐな柵よりも、ランダムに(ランダムとは?)配置された棒の方がこの建物には合っているのかもしれません。
私が感じた印象は、無機質な鉄棒が、なぜかススキなどの自然物に見えたということです。
さて、しばらく棒の横を歩いていくと、向かって左側に入り口が見えます。
四角い箱に空いた穴みたいな入り口でした。
何もないコンクリートの壁が続き、突然、ガラスの窓が並びはじめます。
入り口の自動ドアにも圧倒されます。巨大な(2000×2000程度)ガラス扉が横開きに動きます。
「開けごま」(アリババと40人の盗賊)の気分を味わえます。
ちなみにこの開けゴマって、本当にゴマらしいです。
かどや精油株式会社 のホームページに記載があります。
中近東地域では、ごまは油を搾るための重要な農作物として広く栽培されており、貴重な財源=宝物として重用されていました。お話のなかにも「魔法の霊験に通じる神秘なごま」という表現があり、ごまには神秘な力があると信じられていたようです。 http://www.kadoya.com/enjoy/column/column04/tabid/115/Default.aspx
さて、内部の写真は、、というと、一枚もないのです。
なぜなら、携帯の電源がなくなったわけでも、トラブルで入れなかったわけでもなく、一切撮影禁止です。
そのため、描写で伝えられるようにします。
地面にスポットライトがあり、夜は建物が浮かび上がるように演出されます。
内部
まず、ガラスの入り口から入って、すぐに洞窟という印象を持ちました。
両側にデザインの凝った、可愛らしい土産物が並んでいます。
向かって左手に受付があり、チケットを購入することができます。
さらに進むと100円返却式のロッカーがあります。
洞窟の先端に大きな窓があり、採光されます。景色は住宅街です。
洞窟の先端までたどりつくと、右手に細い道があり、そこが、美術展示のはじまりにあたります。
はっ、と圧倒されます。
(・・・)
建物ブログなので、展示品については割愛します。
内部の天井照明は、星のようで、スポットライトが点々と(500mm?)間隔をあけてともっています。
LED照明で、照明だけではなく、排気や、スプリンクラなども混ざっているとのことです。
また、階段の手すりがすべり台のようになっていて、ボールを転がせばすべり落ちていきそうです。
上がって下がって細い道を進んで、、、子供に戻ったような冒険心を沸き立たせる造りになっています。
進路の予想ができない、という感じです。
薄暗くなったり、急に天井が開けて外の光が落ちてきたり。
そんな道にずらりと写実画が並んでいます。
イタリアの美術館とかだと、絵画の飾られた壁自体が豪華な色合いで、空間すべてに圧倒されます。
しかし、こちらの美術館はシンプルなプレーン壁で、一切主張がないのに、すごいということが分かる。
人の感覚を直に揺さぶるような造りになっています。建築的知識がなくても、すごいことが分かるということがすごいのです。
東側から地下と1階を撮影。ここまで鉄棒の柵が見えます。
圧倒的な30mの片持ち鋼板構造。
壁はあくまでシンプルな造りです。窓が1枚で、外の景色を絵画のように見せます。
開館当時は、周りの樹も背が低かったそうです。
水や風が流れるようなデザイン。
疑問
中庭の樹の剪定どうやるんだろう。
内部の階段の手すりはどうやって作ったんだろう。
絵画の下の窓にカーテンが掛かっていたのはなんで。
柵に雪が積もったときどうやって雪かきするんだろう。
感想
行ってみないと分からないことだらけなのでぜひ九十九里浜とセットで行ってみてください。
写真は、わざと並べてみました。